エリコ新聞

小林エリコのブログです。

精神病と差別

差別

①差をつけて取りあつかうこと。わけへだて。正当な理由なく劣ったものとして不当に扱うこと。「ー意識」

②区別すること。けじめ。大小のーがある」

広辞苑より抜粋

自分が精神病を患うようになってから「差別」という言葉は大きくのしかかっています。

「差別された!」などと声をあげるのも嫌悪感を感じるけど精神病者への差別は確実にある、と実感するからです。

ネットではひきこもりやニートは見下されているし、その背景に何があるかなんて考えもしない。自傷行為をしたり奇異な行動をとったりしたら、あの人はおかしい、という目で見られる。

精神病者は家族とも社会ともうまくやっていけず、その対処のため健常者からしたら「おかしい」行動を取る。「おかしい」行動は健康な人には理解出来ないので「おかしい」ものとして見なかったり排除したりする。その行為が「差別」なのである。

じゃあ差別はどうしたらなくなるのだろう、と考えたとき「教育」しかないのではないかと思った。

私は短大卒だが学校で「精神病とはこういう病気です」という教育は受けてこなかった。「精神病」という言葉すら聞かなかった。自分自身、精神病になるまで は精神病の正しい知識も得ることが出来ず「精神科に行ったら負けだ。絶対に行くものか」と思っていた。夜も一睡もできず毎日死に方を考えて、字を読むこと すら出来ない状態になりながらそう思っていた。

精神病とはどういう状態になることか、薬を飲めば症状は改善される、などを教えてくれれば精神病に対するネガティブなイメージが取り払われもうちょっと早 く受診したり考え方が変わったかもしれない。欲を言うならば精神病の当事者に学校に来てもらって講演会などを開いてもらって話を聞いたりすることが出来れ ばもっと楽になったと思う。

よく「貧乏は遺伝する」と言われる。その負の連鎖を解くためには教育しかない。私は「差別意識も遺伝する」と思っている。実際私の母親の親族に精神病の人 がいて母は精神病を、恥ずかしいものと捉えていたので、私自身もそう思っていた。もっと早くから教育で精神病について触れられていたら母親の意識も変わっ ただろうと思う。そして、その差別意識は私にも遺伝しなかったと思う。

精神病になるとどんな差別と偏見の目に晒されるかを書こうと思ったが、愚痴っぽくなりそうなので書かないでおきます。でも、自分が感じている差別の目、声もあげられず亡くなっていく精神病の当事者のためにいつかまとめて書いておきたいと思う。