エリコ新聞

小林エリコのブログです。

ナーシングカフェ

医学書院で行われた「ナーシングカフェ『当事者研究の研究』」に参加してきました。

前日に調子を崩して爆発してしまって、行くのをやめようかと思っていたのですが、行かないと見捨てられる気がして、思い切って行ってきました。

最近、当事者研究から離れていたので、また勉強することができてよかったです。それに、「リハビリの夜」で新潮ドキュメント賞を受賞した熊谷晋一郎さん、 そのパートナーで「発達障害当事者研究」を書かれた綾屋紗月さん、ダルクの上岡陽江さん、精神科医宮地尚子さんや東大の教授の方など豪華な面々で大変興 味深く話を聞かせていただきました。もちろん、べてるの家向谷地生良さんとべてるメンバーも4人も来ていて充実していました。

まず、「当事者研究とは体験発表ではない」ということが話に出て「ここは基本だった」と思いました。当事者の体験を語るのではなく当事者が考えてデータを 集めたことを発表するのだと再認識しました。「考える」という行為が重要なのだ、と思いました。体験発表をして「辛かったんだね、そうだったんだね」とい うだけではなにも建設的なことは生まれません。自分の苦労の体験を能動的に研究して発表してそれをみんなの知恵にする、というこだと思いました。

そして、当事者研究で言われている「病気が私を助けてくれている」という考えを私はすっかり忘れていて「病気なんてなければいいのに」と病気を憎んだりし ていた自分の考えを修正することが出来ました。自分らしくない生き方をすると病気が出るのです。病気が出たときは「無理をしないで」というサインなので す。病気が私を守っているのです。

熊谷晋一郎さんは脳性まひの当事者で車椅子生活を送っているのですが、幼児期から中学生までの間は毎日リハビリに明け暮れていたそうです。熊谷さんにとっ て健常者はスーパーマンであり遠い存在でした。しかし、医者は「健常者になれ」とリハビリを勧めます。熊谷さんは18歳頃当事者会に出会い先輩の当事者と 触れ合うことで「健常者として生きるな、障害者として生きる」という考えにたどり着いたそうです。「健常者と同じコップの持ち方をしなくても障害者のコッ プの持ち方がある」という、実に刺激的な話を聞かせていただきました。

そして、リハビリをし過ぎるとだめになるそうです。ここのところは医学書院から出ている「リハビリの夜」に詳しく書かれていると思います。「思います」と 書いたのは、恥ずかしながら私はまだ「リハビリの夜」を読んでいないので「思います」と書きました。最近情けないくらい本が読めませんが気持ちが落ち着い て時間があるときにゆっくり読もうと思います。

私は、今仕事をお手伝いさせていただいているNPOはリハビリも兼ねて行っているのですが「痛くても頑張らなければいけない。動かなくても無理に動かさな くてはいけない」と思ってどんなに体がだるくても頭が回らなくても仕事をこなしていました。痛いのを我慢してリハビリをすれば自分は健常者並に働けると 思っていたからです。特に、昔、終電まで仕事をして、週末は遊びに行ったりすることが出来ていたぶん「昔みたいに働けるのでは」と思ってしまっていまし た。

これからは無理をせず痛いときは「痛いです」と伝えて、私なりの働き方を模索しようと思います。