エリコ新聞

小林エリコのブログです。

治りませんように

斉藤道雄さんの「治りませんように」を読みました。泣いてしまいました。

斉藤道雄さんはTBSの報道の人で、長年べてるを取材していて、「悩む力」と言う本もだいぶ前に出しています。

序文と最後の話がリンクしていって「え!?」と驚くとともに、向谷地さんの「苦労の哲学」に涙しました。最後の方での驚きは、山本周五郎の小説はよく最後にどんでん返しがありますが、それを連想しました。

向谷地さんが学生の頃、教師に暴力を受けていた、と言うのは今までに、少し触れられていましたが、あそこまで語られていたのは初めてでした。そして、向谷地さんも壮絶な苦労をしており、自分の苦労と向谷地さんの苦労をリンクさせてしまいました。

私も学生の頃、結構苦労していて、高校生の頃は、教科書なんか開かず、ずっと純文学や哲学書を読んでいる学生でした。

一番、よくわかったのは「自分の苦労が、地球の裏側の苦労とリンクしている」と言うあたりです。

私も、行き詰まっていた頃、世界で戦争や飢えに苦しんでいる人達のことが他人事では無かった。そういう人達の写真をスクラップしたり、支援しようとしてい ました。(親に反対されたのと、そういう団体が本当に信用出来るのかと言うのと、偽善なのではないか、と言うあたりで支援はしなかったのですが)自分と世 界の人が「苦労」でリンクした、と言うのはよく理解できました。

あんまり書いてしまうとネタばらしになるし、本当に沢山の人に読んでもらいたいので、多くを語りたくはないです。これはもう文学です。

とにかく、べてるを教えてくれた、短大時代の恩師と、向谷地さんをはじめとするべてるの人々、そして、この時代に生きれたことを深く感謝します。

15歳の少年