思えば、私は子供の頃、子供でいられなかった。無邪気に泣き、笑い、遊ぶことができなかったと思う。
子供の頃、「まんが日本昔ばなし」が大好きで毎週見ていたけれど、エンディングの歌が嫌いだった。
「くまの子見ていたかくれんぼ お尻を出した子一等賞 夕焼け小焼けでまた明日 また明日
いいな いいな 人間ていいな 美味しいおやつにほかほかご飯 子供の帰りを待ってんだろな
僕もかえろ お家へ帰ろ でんでんでんぐり返って バイバイバイ」
人間のどこがいいのか、人間なんてちっともよくない。お家なんて大嫌いだ。
私はずっとそう思って、あの歌を聴いていたし、今もその思いは間違っていないと信じている。
最近ずっと考えていることは、結婚をしたり子供を産んだりする人は、自分が生まれてきたことを嬉しいことだと思っているし、生きることに肯定的なのだと思う。そうでなければ、家庭を作ろうなどという気持ちは起きないだろう。さらにいうなら、自殺をしない人は生きるということがあまり不快でないのだろうし、もしかしたら楽しいのかもしれない。
明日が来なければいいなと思う。