エリコ新聞

小林エリコのブログです。

出家

昨日、気がついたらハタハタと涙を流していた。なんなら嗚咽もしてしまう。あれ、どうしたんだろう、私。

ここのところ、自分と他人を比較してとても落ち込んでいた。結婚もしていないし、子供もいないし、貧乏だし、私はこの先大丈夫なのだろうか。

ああ、そうだ、もう一層の事、出家しよう。私は高校生の頃から、自殺ができないのなら出家しようと考えていた。私が出家したいのは、俗世に居たくないからと言う消極的理由だ。仏の道を極めたいと言うより、この世に居たくないと言う気持ちの方が強い。

インターネットがないころは出家の方法がわからなかったのだけれど、ネットがある現在ではかなり簡単にわかる。「出家 方法」でググればたくさん出てくる。

しかし、受け入れ先のお寺を見つけても「軽い気持ちで出家しないでください」の言葉が胸に突き刺さる。追い返されないか不安になってしまう。なんなら、在家でいいのではないかと思い立ち、髪を坊主にしようかと思うが、それもハードルが高い。

坊主とはいかなくても髪をショートにするくらいなら大丈夫なのではないか。そう思い、ショートにしようと決断した。しかし、女のショートヘアというのはなんとなく、何かの志を感じてしまう。そもそも、私は10代の時、ずっとショートだった。男とみまごうくらいのベリーショートだったのだ。

なぜ、そんなに短くしていたのかといえば、中学でいじめにあい、高校生になったからには、何かを変えたいと思い、髪の毛を思い切り短くしたのだ。短大生になってもベリーショートを続けて居たのだけれど、情緒不安定なのと、貧乏のせいもあり、自分でたまに髪の毛を切っていたので、相当おかしい髪型だったと思う。ベリーショートの時期を思うと、胸が痛む。あの頃の私は一番頭がおかしかった。

だいたい毎日泣いて居たし、自傷行為もよくしていたし、酒を飲んで荒れていることが多かったのだ。そんなこともあり、再度、髪を短くすることに迷いを感じてしまった。ここで、家族がいれば「髪の毛を短くするのどう思う?」と軽く聞けるのに、家族が一人もいない。猫すらいない。友達にラインで「ショートにしようかと思うんだけど、どう思う?」などと聞くのもうっとおしすぎる。悩んだ私は、Twitterのアンケート機能を思い出し、アンケートを募ることにした。

この結果によって髪を短くするかどうかを決めようと思う。

もうすぐ、2018年が終わる。今年はどんな年だったかと言われれば、テレビに二回も出たし、雑誌やメディアにもたくさん出れたし、連載もやったし、いい年だった。多分、こんないい年はなかなかない。

それなのに、一人が寂しい、などと泣いているのはいけない気がする。

だいたい、私に子供がいてもキチンと育てられる自信がない。それに、作家としてデビューしたのに、子育てしている余裕などない。

私のことだから、子供ができても、岡本かの子のように子供を柱にくくりつけて原稿を書きそうな気がする。

かの子の時代は児童虐待に厳しくなかったけど、現代なら完全にアウトだ。私は子供がいないけど、友達の子供を可愛がって無責任に愛を注ぎ込もうと思う。独身の気楽さを心の底から味わおう。

あとはもうちょっとお金が稼げればそれでいい。来年はもっと裕福になりたい。みなさま良いお年を。