エリコ新聞

小林エリコのブログです。

京都の話

お正月は仕事に出れなかったので、給料がすこぶる低かった。時給で働いているので、致し方ないが、なんとも言えない。生活保護を抜けたから、「他の同年代の人と同じくらい稼げます」なんてことはなく、私はただの貧困女子である。そうそう、SPA!の「オンナの貧困」特集で中村淳彦さんと対談しましたので、ぜひお買い求めくださいね。

週末、シンポジウムに招かれて、京都に行って来ました。精神科医の松本俊彦先生と一緒に登壇して、お話をしてきました。笑いがとれたので、成功だったと思います。シンポジウムで心に残った言葉は「母の日や父の日を覚えている子供は親との関係が健康的でない」という言葉でした。私は子供の頃、父の日も母の日もしっかり花を親にあげていました。「母の日?なんだっけ?」くらいの方が健康的らしい。確かに、親に特別、感謝の気持ちを持つというのは子供として健全でないのかもしれない。子供は親に育ててもらうのが当たり前なのだから。

京都のシンポジウムのスタッフの方々はなぜか、坊さんが多かった。理事がお坊さんだからなのかもしれませんが、打ち上げの席では、半分くらいがお坊さんだった。当たり前のようにかわされる仏の話と、カバンから取り出される数珠の多さにクラクラした。

私は仏教が好きなので、お坊さんはなんというか、アイドルみたいな存在である。だから、話ができるのが光栄だった。隣に座っていたお坊さんの言葉がぐっときた。

「正直、家が寺で、敷かれたレール(仏の道)を歩むもんかと思ったんですよ。でも、途中から考えが変わって。(隣に座っているお坊さんに向かって)パラダイムシフトってどんなでしたか?」

パラダイムシフト、人生でそんなにない出来事。でも、確かに、「お坊さんなんて!」と思った人が坊さんになるって、それなりの出来事がないとな、と思いました。

そして、お坊さんたちと大量に名刺をかわし、「いつでも、出家しにきてくださいね!」と言われて心強かった。私は10代の頃からずっと現世に疲れていたので、出家に憧れていた。しかし、出家ってどうやってできるのかと悩んでいたので、お坊さんの知り合いができたのは大変ありがたかった。

打上終了後、「明日、座禅があるんで!」と言って帰っていったお坊さんに胸がきゅんとした。最高の朝活だなあ。

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次の日は、京都の観光をしてきた。1人で三十三間堂に行き、東寺に行ってきた。お昼から、関西に住んでいるお友達と伏見稲荷大社を参拝。半年ぶりに会う友達と、会った瞬間に「公式のカップリングは萌えない」というオタ寄りの話に花を咲かせた。

伏見稲荷大社は大変インスタ映えする場所で、写真をとったら美しかった。たくさんの鳥居をくぐっていると自分の中の穢れが浄化される気持ちがした。友達と2人で絵馬にお願い事を書いて参拝する。伏見稲荷大社は山にあって、歩いているといつの間にか山登りをする羽目になり、かなり山頂まで登った。2人してヒーヒー言いながら、歩いたが、てっぺんまでいけなくて、途中の茶屋で一休みして下山した。2人で歩きながら、とてもいろんな話をして、女同士は話が尽きないな、と実感した。

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参拝の後、美味いものを食べようということになり、うなぎを食べに行った。卵の乗ったうなぎを2人で食みながらまあまあ自分は幸せだなと思った。こうして、友達がいて、ちょっと高いうなぎが食べれるくらいはお金がある。2人で京都の街をぶらぶらしたあと、パスタのお店で少しお酒を飲んだ。ビールを飲みながら、目の前に友人がいることを思うと、ありがたいと感じる。私は病気のせいで、随分と友達を無くしてきた。目の前の友達のことも、なにかあって傷つけてしまったら去ってしまうかもしれないけれど、そういう日がこないことを祈る。私の病気は人との関わりの病であり、その不安定さと孤独と、コントロール不全は恐ろしく不愉快だ。もう、二度と、誰も傷つけたくないなと心の中で願う。

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新幹線の中で、パソコンを広げて、文章の仕事に手をつける。少しでも長く、文章の仕事をしていたいし、もっと有名になってたくさんの仕事が欲しい。パチパチとキーボードを叩きながら帰途についた。