エリコ新聞

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子供の力で再び日の目をみた漫画「ドラえもん」

ドラえもんをしらない日本人はどれくらいいるのだろう。知らない人の方が多い気がする。私が子供の時からテレビアニメで放送され、今もなお続いている。

そんな、ドラえもんだが、連載打ち切りになったことがある。

これに収録されている「さようならドラえもん」はドラえもんの最終回である。

最終回がのったあと、子供たちから編集部に「ドラえもんの連載を続けて欲しい」という手紙が届いた。そして描かれたのが「帰ってきたドラえもん」である。

ドラえもんがなぜ愛されるのかを考えると「のび太」が主人公であることだと思う。なにせ、のび太は勉強ができないし、喧嘩も弱いし、スポーツもダメ。いいところがない。そののび太にどれだけの子供が自分を重ねたであろうか。

ドラえもんが家にいたらいいと思う子供は多いと思う。ドラえもんの道具をどれかひとつだけ持てるより、ドラえもんがいてくれた方がいいと思う。それはドラえもんが道具をたくさん持っているからではなく、ネコ型ロボットでありながら、家庭に違和感を抱くことなく存在しているからだ。一緒にご飯をたべ、一緒に眠る。私たちはドラえもんに側にいて欲しいと願う。ドラえもんは「核家族」というものが現れたころの子供にとって「心の安定剤」だったと思う。

「さようならドラえもん」は連載終了のために書かれた作品だ。連載終了でありながら、あまりにもみごとな作品である。のび太ドラえもんに心配をかけまいとし、自らの意思でジャイアンと喧嘩する。思えば、さようならドラえもんは子供たちが大人になるために必要な通過儀礼の作品だと言える。

ドラえもんは子供たちの意思で帰ってきた。子供たちに必要な時は必要だが、大人になったらいつかドラえもんとさよならしなくてはいけない。

でも、私の心の中には子供の自分に夢を見させてくれたドラえもんがいつもいる。