エリコ新聞

小林エリコのブログです。

精神障害と就労

精神障害と就労について私の考えを書こうと思う。

精神障害を持っている人が働くのは非常に困難である。私の周りにも精神障害及び精神疾患を持っていて働けてない人は多い。精神障害を持っていて正社員でバ リバリ働いている人なんて私の周りにはほとんどいない。ほとんどの人は、何年間も実家に引きこもっているか、なんとかデイケアに通っているとか、よくて作 業所といった現状である。

世の中において働いていない人はダメな人間であり、特に精神疾患を抱えていて医療費を国に7割ないし9割負担してもらって、なおかつ障害年金なんてもらっていようものなら避難を浴びる世の中である。国民の血税で脛をかじっていいご身分だ、と言われてしまう。

私も長い間引き篭っていて働くことができなかった。私は20才の頃ある会社に務めていたが仕事のストレスで多量服薬をしてしまい、退職してしまった。退院 後、一生懸命職を探したがどこも受からず会社員を諦めバイトを探し始めたがそれも全く受からない。もう、水商売しか無いなと思って日曜日に入ってくる求人 の折り込みチラシでホステスの募集のチェックをしていた。しかし、実家だったのと勇気が出ないために水商売は見送った。

その後、行き場がなくデイケアに通ったりしていた。デイケアに通うのも苦痛になっていた頃、またバイトの面接を受け始め、奇跡的にコンビニのバイトに受 かった。履歴書は最後の会社勤めから何年も空白があり、それについて聞かれてごまかせないので、精神病であるということを話した。落ちるだろうと思ったら マネージャーや店長の好意で雇ってもらえた。

久しぶりの労働なので週一回3時間というもの凄くゆるい勤務だった。コンビニは過去にも勤めたことがあるので大丈夫だと思ったが、私の病気はそれを阻んだ。

バイトは15時からなのだが前日から不安でなかなか眠れない。時間が近づくにつれ恐怖でいっぱいになり、布団の中でずっと泣いて病院に電話をかけたりして いた。バイトにはきちんと出ていたが仕事ができない。コンビニは仕事の種類が多く覚えきれない。緊張で頭の中がオガクズが詰まったようにパンパンになり何 も考えられない。「3−2」とかいう簡単な計算もできないくらい頭の中はフリーズしてしまう。仕事ができない罪悪感も入り交じり、結局泣きながら仕事をす ることが多くなり、主治医の勧めもあり半年ほどでコンビニを辞めてしまった。精神病であるということを知って雇ってくれたのに今でも申し訳ないと思ってい る。でも、あの仕事は私には容量が多すぎて処理できなかった。そもそも接客業が大の苦手なのだ。しかも、そういう事があるので優しい主治医はどんどん薬を 出す。私は薬を一日で30錠くらい飲んでいた時期があった。その頃の写真の私は無表情で口が半開きで目はうつろであった。歩くのもすり足みたいだったと当 時を知る友人に言われた。

それから6年くらい経った今、私はとある事務所でバイトだが仕事をさせてもらっている。デスクワークなのと環境がいいので気持よく働かせてもらっている。 しかし、私は活動限界が4〜5時間くらいなのだ。朝事務所に来て仕事を始めたときは頭はスッキリしてちゃんと物事を順序立てて考えられるのだが、時間が 経ってくると頭にオガクズが詰まった状態になる。「あ」という文字を見ても「あ」と読めない。「あ」をずっと眺めて読み方を考えてもなんだかサッパリ分か らず、ずーっと眺めていると「あ」が何かの記号か何かみたいでもうよく分からなくてこれ以上事務所にいても仕事が進まないので3時くらいには帰らせてもら う。でも、一日寝て頭をリセットすればまたちゃんと考えられるのでそれの繰り返しである。

私が言いたいのは精神障害を持っている人も健常者と同じくらいの力で働けないが3割とかそれくらいの力でなら働けると思うのである。精神障害を持って引き 篭っている人も3割の力でなら働けると思う。今まで0だった労働力が3割でも労働力として提供することが出来たら、国にとっては大きな利益だ。当事者に とっても引きこもりから脱して働いているということで誇りが生まれ生きる勇気が沸くだろう。

双方に利益が出てより良い社会になるのではないかと考えている。