エリコ新聞

小林エリコのブログです。

クリスマスの話

「サンタクロースはいるのか?」と子供に聞かれた時、マジレスすれば「フィンランドにいるけれど、家にくるサンタクロースはお父さんとお母さん」と答えるのが適当だと思う。

フィンランドにサンタクロースがいることを知ったのは小学三年生の頃だった。

父方の叔母が「エリちゃん、サンタクロースに手紙を書かない?返事がもらえるのよ」と言ってきたのだ。

ちなみに、私が子供の頃、両親がサンタクロースの真似事をしてくれるような家ではなかったので、子供心にサンタクロースに憧れていた。

クリスマスの朝、枕元にプレゼントが置いてあるという美しいシュチュエーションを体験してみたくて、自分でプレゼントを購入して、寝る前に枕元に置いて、朝起きて、自分で置いておいたプレゼントを喜んで開けるという小芝居をしていたくらい、憧れていた。

フィンランドのサンタクロースは私の枕元には来ないけれど、手紙をくれるというのがなんだか素敵で、書くことにした。

叔母に「日本語しか書けないけど、読めるのかな?」と聞いたら、大丈夫だ、というので日本語で書いた。叔母がエアメールで出してくれるというので、お願いした。

それから数ヶ月後、本当にサンタクロースから手紙が届いた。叔母が見せてくれたのだけれど、英語なので読めない。謎の英語を少し眺めた後、叔母がサンタクロースからの手紙を取り上げた。

「私が出してあげたんだから、この手紙は私のものね」

そう言って、サンタクロースからの手紙は叔母のものになった。

叔母はミーハーなところがあり、海外に強い憧れがあって、大人だけど、サンタクロースからの手紙が欲しくてたまらず、子供の私を使ったのだと思う。しかし、今思うと、大人気ない人だと呆れてしまう。

子供の頃の私の周りの大人は、私利私欲にまみれていて、自分のことが大事な人たちばかりだった。クリスマスプレゼントは両親からもらっていたのだけれど、欲しいものがもらえないので、現金でもらうようになってしまい、あの赤と緑と金色の美しい包紙を開けるという体験をあまりしないまま大人になった。

宗教的なことはあまり分からないが、クリスマスは大人になった今でも好きで、お店のディスプレイやクリスマス用品を眺めるのはとても楽しい。今年もおしまいなのだという、少し寂しい思いと、子供の頃の苦しくて切ない思い出が蘇り、胸がつまる。

ちなみに、今年は家にクリスマスツリーを設置した。スリーコインズでもみの木が500円で売られていたので、これくらいなら、と手にとった。その足で100均に行き、飾りを購入。そして、自宅にあるおジャ魔女どれみの妖精のぬいぐるみをつけたら、完璧に可愛いオタクツリーが出来上がり、とても満足している。

インターネットにいる、サンタさん、クリスマスプレゼントが欲しいです。

欲しいものリスト