エリコ新聞

小林エリコのブログです。

女の幸せを探し続ける、松田洋子の「ママゴト」

松田洋子のかく女が私は好きだ。他の人はどう思うだろうか。聞いて回りたい思いにかられる。

松田洋子の漫画に出てくる女の人は男に騙され、暴力にあい、それでも一人でいたくないと願い続ける女たちだ。

ママゴトの主人公は水商売で働いて知らない客の子供を身ごもった。友人や店の人間に「産むのはやめろ」と言われても産むことにした。

「あかちゃんはかわいいのかたまりなんよ」

かわいいあかちゃんを主人公は失う。お金もなく、なんの保証もない女が一人で子供を産み、育てるのは不可能に近い。主人公を誰が責められるだろうか。しかし、良識のある人はいう「子供が子供を産んで育てられるわけがない」

主人公は20年たっても自分を責め続けている。場末のスナックで働きながら。お酒を飲んでお客の相手をしながら。心の中はうつろなのだ。

それは、自分が「家族」を求めたのに、「家族」を作ることができなかったこと。大事な我が子を死なせてしまった絶望にも似た罪悪感である。

そんな中、昔の女友達が訪ねてくる。友達は自分の子供を預かってくれと頼む。

「子供なんてぜったい嫌だ」

といいながら、生活をはじめる。それはおままごとのような母と子だ。血の繋がらない母と子。つたない母親と無邪気な子供の姿は喜びをあたえてくれる。行きたくても行けなかった場所に子供となら行ける。デパートの屋上の観覧車。花畑。

切なく、苦しい愛の物語である。