エリコ新聞

小林エリコのブログです。

腰のしこりと目標

一年前くらいに腰にしこりがあることに気がついて、駅前の皮膚科に行ったけれど、ろくに触りもせずに「何もありません」と言われた。その頃、コロナウイルスが流行し始めた時期で、病院がすごく混んでいたせいかも知れないし、ただ単にあまりいい医者じゃなかったのかも知れない。そして、一年後、そのしこりが痛みだし、触ると腫れている感じがするので、別の病院に行くことにした。今まで、ネットで名前を検索して出てくるGoogleのクチコミはあまり信用していなかったのだが、クチコミが良いところを選んで行くことにした。

 

自分でネットを使って、調べた感じでは「粉瘤」「脂肪の塊」が多いとのこと。悪性の場合は癌の可能性もある。私の家系はなぜか癌患者がいないので、癌じゃない可能性が高いけれど、体の内部にしこりができるという経験が初めてなので、なんとなく落ち着かない。

 

評判の良い皮膚科はずいぶん待たされたが、前に診察してもらったところとは違って、丁寧に診てくれた。

「硬さで粉瘤か脂肪かわかるはずなのだけれど、この感じだとどちらか分からないので、大きなところで検査を受けてください」

と言われて、紹介状を描いてもらった。

 

また、仕事の休みを取り、診察に行ったところ「MRIを受けてください」と言われた。受けたことがありますか?と聞かれて、いろんな検査をしたことがあるので、ありそうだけれど、いまいち思い出せず「多分、あると思います」という曖昧な答えかたをした。

 

お医者さんが検査の説明をしてくれて、ドーナツ型の機械の中に入って、体の断面図を撮るものだと説明してくれた。自分の体の内部に何ができているかさっぱり分からないが、紹介された先が整形外科付きの病院だったので、多分、切ることも見込みに入れているのだと思う。検査料金はいくらですかと聞いたら、大体一万円と言われてびっくりしてしまった。今月、セーラームーン熱が再燃して、おもちゃを大量に購入してしまっているので、ちょっと厳しい。そして、大人になっても昔欲しかったおもちゃが今でも欲しくてたまらないという、自分の中にある子供の部分に恐れ慄く。

 

私は最近やっと、お金を稼ぐことができて、お金を使って自分の欲しいものを買うことがとても楽しいのだけれど、それが本当にごく最近という事実を思うと本当に悲しくなる。成人してから10年以上無職ということはそういうことなのだ。そして、実家にいたときは、親の前でおもちゃを買うのが恥ずかしくて、我慢していた。今でも、ジャスコのおもちゃ売り場で値下がりした「おジャ魔女どれみ」のおもちゃを手にして逡巡していた時代を昨日のことのように思い出す。

 

そして、今日は無性に腰のしこりが痛みだし、落ち着かないので、仕事を休んで病院に行ってきた。そして、痛み止めと炎症止めを出してもらった。薬を飲んだらまぶたが重くなって眠ってしまった。

 

検査は今週末なのだけれど、面倒な病気じゃなきゃいいなと思いながら、ガンとかでもいいかなあと考えてしまう。思えば、私は生きることに全く意欲的じゃない。昼間の仕事は給料も安いし、やりがいもなく、辞めたいと思いながら、辞めたら生活ができないので、ダラダラと続けている。この先ここで働き続けても、給料が上がることはなさそうだ。

 

作家としてデビューできたけど、パッとせず、そこまで売れていない。別に私が書かなくても、書きたい人はたくさんいるし、私が書かなくても困る人はいない。

 

生きることはめんどくさいし、退屈だ。それを忘れたくて、お酒を飲んだり、ゲームをしたりして誤魔化している。

 

私は人生に目標がない。作家としてもっと売れたいとは思うけれど、自分が凡人であり、これといって突出したものがないのは嫌というほどわかっている。

 

思えば、私は十代の時に、親に美大に行く目標を反対された時から、生きる目標を失っているのだと思う。今は、絵を描いていても、昔の頃のように胸の奥に燃えたぎる何かを感じることができない。

 

どうせなら、この腰のしこりが大きな病気で、それを治療することが人生の短期的目標になれば、この虚しい問題から逃げられるのにと考えている。

 

新刊、よろしくお願いします。

 

私がフェミニズムを知らなかった頃

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